レクリエーション要素を加えたリハビリ
どの病院、施設も同じかと思いますが「面会禁止」
である場所はとても多いのではないでしょうか?
そのため、患者さんにもご家族にも相当なストレスがかかっています。
私の担当患者さんは入院のストレスでリハビリが思うように進まないことが増えてきていました。
そこで思い切って、「リハビリで遊ぼう」
と思いました。
お手玉入れやキャッチボール、ゴルフなど歩行練習などとは全く違ったことを行いました。
すると暗かった表情が徐々ににこやかになっていきました。
ゲーム要素も交え、罰ゲームとしてできなかった回数病棟内を歩行するという罰ゲームにしましたが悔しがりながら歩行を行ってくれました。
この経験からリハビリってあまりリハビリしすぎてもよくないな。と思いました。
やっぱり運動の効果を高めるには患者さんの意欲が伴えばさらに効果が高まることが言われています。
そのため、目的の活動を引き出すためにどう意欲を引き出していくか。
というのもセラピストの役割の一つだと思います。
片麻痺者の歩行 バイオメカニクスの観点から
片麻痺者の歩行の特徴として
踵接地✖︎、下肢ロッキング、ぶん回しなどが多くみられます。
バイオメカニクスの観点からしても上記を裏付ける結果となっているようです。
まずは床反力作用点から見ると
片麻痺患者の麻痺側立脚期では踵接地ができない患者さんが多いです。
そのため、床反力作用点は終始前足部にあり、膝関節の前方を床反力が通るため、
下肢のロッキングにつながりやすいです。
そして、下肢がロッキングしてしまうと立脚後期で体幹前傾にて代償を認め、股関節屈曲筋や下腿三頭筋のパワーを発揮しにくくなってしまい、ぶん回しにつながってしまいます。
このあたりは周知の事実だと思います。
ですが、健常者と片麻痺患者の大きな違いは下腿の動きだと思っています。
立脚期でよく例えられるのが倒立振り子と言われています。
この動きは足部と体幹が固定され下腿の前傾が主に行われているんですよね。
そのため、この下腿の動きを装具なり徒手的な誘導なりで調整していくのが我々セラピストの腕の見せ所だと思っています。
立脚期の大臀筋
今回は上記のテーマで進めていきます。
床反力と関節モーメントで立脚期における大臀筋の筋活動を説明していこうと思います。
歩行中、床反力ベクトルは重心に向かって矢印が向けられています。
昨日お話ししたヒールロッカーの段階では股関節の前方を通っているため、股関節伸展モーメントが働き、大臀筋の求心性収縮が働きます。
ここまでは皆さん周知の事実だと思います。
ですが、このヒールロッカー直後は床反力ベクトルは股関節の後方を通り、股関節屈曲筋である、腸腰筋の遠心性収縮に変わってしまいます。
これがいつまで続くかというと、立脚期の最後までです。
厳密にいうと蹴り出しの際は腸腰筋の求心性収縮が働きますが。。。
何が言いたいかというと立脚期での股関節伸展はほぼ床反力で伸展しているということです。
(股関節のみに着目すると)
つまり、歩行においては大臀筋より腸腰筋の遠心性収縮を行えるかが重要で体幹アップライトの保持や蹴り出しでのパワーにつながると思います。
heel rocker
今回は歩行におけるヒールロッカーについて説明していきます。
ヒールロッカーにおける関節運動は足関節底屈が主です。
このヒールロッカーでの大きな役割は、よく衝撃吸収といわれています。
ただ私は重心を上方に持ち上げることが大きな役割かと考えています。
モーメントで各関節を見ていくと、足関節は背屈、膝関節は伸展、股関節は伸展モーメントが働きます。
それぞれ、前脛骨筋の遠心性収縮、大腿四頭筋の遠心性収縮、大臀筋の求心性収縮が働いています。
筋肉の収縮様式として求心性、等尺性、遠心性の順に負荷が大きくなります。
よく私たちは立脚初期では大臀筋の筋活動が重要と広く認識されていますが、意外と末梢部の筋活動も高いです。
特にこの遠心性収縮が必要な大腿四頭筋、前脛骨筋が重心を上方に持ち上げるのには必要な筋活動なので、大臀筋以外の部分を評価していくことも重要です。
余暇活動への関わり方
回復期病棟ではリハビリの合間の時間に
塗り絵などの余暇活動を提供して
認知機能低下予防や活動量の確保を図ったりします。
その関わり方について思うことがあります。
塗り絵やプリント課題を行うことはとても良いことだと思いますが
終わった後の成果がないとやっても続かないことが多いです。
終わった後に答え合わせや一緒に行うことで
長期的に余暇活動を続けることができると思うので
やって終わりにせずに「一緒に」を心がけてやっていくことが必要だと思っています。