歩行開始時の跛行に対する私なりの治療
今回は下肢の骨折後によく認める”歩行開始時の跛行”について僕なりの治療を文章にしていきたいと思います。
まず治療に入る前になぜ跛行につながるかを考えていきます。
臨床2年4ヶ月の経験上、
・構えの姿勢が不十分(立位姿勢)
・恐怖心
・疼痛
この3つが大きく関与していると思います。
構えの姿勢
構えの姿勢(立位姿勢)に関しては立位時に抗重力筋が働きやすい姿勢になっているかを確認します。
この抗重力筋が働きやすい状態を作っておくことで静止立位から歩行へと姿勢変換する際に活動する筋肉が遅延することなく活動でき、歩行開始時の跛行軽減につながると考えています。
ただ、構えの姿勢に関しては個人的には体幹や股関節周囲筋などの大きな筋肉が必要になってくると考えています。
そのため、上記の筋肉がアライメントを見て短縮位や伸長位になっていないかを確認していきます。
恐怖心、疼痛
恐怖心、疼痛に関してはひとまとめに考えています。
歩行開始時の跛行が出てしまう方は術後の方が圧倒的に多いと感じています。
その方は圧倒的に歩行量が減っています。
このような方に関しては荷重をかけるという経験が不足していると僕は捉えています。
そのため、ベーシックな荷重練習やエアスタ上での荷重練習、DY-JOCボード上での荷重練習など整地、不整地での荷重経験を増やして対応することが多いです。
疼痛のある方にもそうするのはかわいそうと考える人もいると思います。
もちろん、疼痛のある方はしっかり評価したのちに荷重練習をおこないます。
それでも疼痛により荷重経験が少ない状態で疼痛の軽減を待って歩行練習をするのは回復を阻害すると考えています。
術後の日数や炎症症状、検査データを加味して積極的に運動療法、動作練習を行えない時期は仕方ありませんが、そうでない場合は荷重練習、歩行練習する意味をお伝えして行っていくことが重要だと思います。
後半は少し根性論的な要素もありましたが、そういう気持ちもセラピストは持っておいてもいいのかなとも思います。